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ワンちゃん達との平凡な日常とお菓子つくり


by bubi-chiko
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1.17

今日は1月17日。阪神淡路大震災の日です。

主人の須磨の2階建ての生家も道路にばったりと倒れました。主人の両親は他界して空き家でした。貸していた家も全壊で、2人が亡くなられました。

私の宝塚の実家、隣の妹の家も全壊。朝、妹からの「お姉ちゃん、空が見えてるの・・」と言う電話の声が忘れられません。 両親、妹夫婦、私たち
夫婦と温泉旅行をして帰宅した翌朝の事で、疲れ切って皆、爆睡中でした。
ベットで寝ている父の頭上をテレビが飛んで行ったそうです。ガラスだらけの中で呆然としてる父にとにかく靴下をいっぱい穿かせたのは母でした。

15分ほど離れた妹の嫁ぎ先が壊れず空き家でしたので兎も角、2家族は
そこに避難しました。当時、近くの行員だった息子は青いビニールとろうそくマッチなど色々と届けてくれたそうです。

数日後、阪急宝塚線が開通してすぐ、両親を滋賀の我が家に迎えにいきました。 お風呂に入れると、父は「あぁ、幸せ・・」と言いました。

両親をとにかく我が家に落ち着かせてから、私達夫婦と息子は、お金と
持てるものを持って、通じている交通手段を探して何時間もかかって、
店子さん達を探しあっちこっちと避難所を回りました。避難所はテレビで
放映されているのと全く違いました。臭いもあります、狭い狭いし寒いです。もっともっとひどく本当に悲惨でした。 寒い外に繋がれてブルブル震えながら、飼い主さんの方ばっかり探してるワンちゃん、声をかけても、ただただ
飼い主さんの方を見ています。涙が止まりませんでした。
今、これを書いていても涙が出てきます。

帰路、疲れとショックで、バスを待つ長い長い列に並んでいた私は、心細くて堪らなくなり、隣の主人の手を探してしっかりと繋ぎました。 しばらくしてふと隣を見ると主人が居ません。主人は後ろの方に居ました。 私は全然知らない男性とずっと手を繋いでいたのです。小さくなって「すみません。」と言いました。その男性はにっこりとして「いいえ。」 主人は「あほか・・。」と。

父は当時、肺がんを患っていましたが、地震を境に急に進行してきました。 我が家に居た数か月も入退院を繰り返しましたが、何とか住み慣れた場所に帰してやりたくて、必死で建設会社に事情を言い頼み込み、やっと夏に
元の宝塚の庭に家が建ちました。間に合った父は4か月住んで、その年の10月、旅立ちました。

スマートで恰好がよく愚痴など言ったことのない父でした。 貸している私のベットで 「何にも悪いことせず、一生懸命今まで頑張って生きてきたのに、
何で?」と肩を震わせ泣く父を、後ろから私が必死で抱きしめたのが我が家での父の最後の思い出です。 でも、結婚してずっと離れて住んでいた私にとっては、数か月でしたが両親と一緒に我が家で、両親、子供たちと穏やかな日を過ごせたことは思いがけない神様のプレゼントでした。

報道されていない、色んな悲惨なことも知りました。報道の画面に表現出来るのは本当に本当にわずかだということも判りました。 顔にひどい怪我をした若い御嬢さんは今頃どうしておられるのかしら。

あの年も、今年と同じように雪が多く、とても寒い冬でした。
by bubi-chiko | 2011-01-17 19:33 | その他